Jazztronik / JTK

mixi radioのエレクトロニカチャンネルを流しっぱなしにしていた時、いきなり嫁さんが「その曲止めて!」と怒鳴った。彼女曰く、


「恥ずかしくて聴くに耐えない」


これが、我が家とJazztronikの出会いでした。その時に流れていた曲がこちら。


Jazztronik - Oneness feat. Sonomi Tameoka


Jazztronikという名前だけは聞いたことがあったけど音楽は聴いたことがなかった。この曲も初めて聴いたけど、雰囲気からてっきり10年くらい前の曲かと思ったら最新アルバムからの曲だったのでまたびっくり。


改めて、Jazztronikについて。

Jazztronikとは、野崎良太を中核とした、特定メンバーを持たないミュージック・プロジェクトをいう。美しいピアノの旋律に日本人女性をヴォーカルとして積極的に起用し、ハウスを中心にジャンルレスで完成度の高い楽曲を世界に発信し続けている。

http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E3%2582%25B8%25E3%2583%25A3%25E3%2582%25BA%25E3%2583%2588%25E3%2583%25AD%25E3%2583%258B%25E3%2583%2583%25E3%2582%25AF/


私自身はここ5年以上は新しい音楽とかそんなにチェックしていないし、最近の流行についても疎い(「パフューム」?何それ、食えんの?)。だから「お前が世間とズレている」と言われればそれまでなんだけど、いくらなんでもコレはないんじゃないの?ハウスやテクノってメロディの善し悪しとか歌が上手いとかじゃなくてセンスが全てだと認識してるのに、今時このリズム、このコーラス、この歌い方、そしてこの歌詞。

Deeper Love
あなたと出会えた奇跡
生命ある限り
愛し合うの
Jazztronik「Oneness」より


ケータイ小説じゃないんだから(読んだことないけど)。


「好みではない」というレベルを超えて、あまりにも「負のツボ」を刺激されたので逆に気になってしまった。そんなこんなでよせばいいのにTSUTAYAで「Oneness」を含む最新アルバム「JTK」をレンタル。


JTK

JTK

amazonのレビューでは3人全員が五つ星。


停止ボタンを押したくなるのを我慢しながらアルバムを通して聴いてみた(気分は「時計仕掛けのオレンジ」のアレックス)。「Oneness」みたいな日本語ハウスミュージックもあれば、ジャズっぽい曲もあってバラエティに富んでいる。小泉今日子がボーカルの曲とかはそんなに嫌いではない。でもやっぱり全体的に「あか抜けない」という印象が強い。「Oneness」みたいなダンスミュージックでもベースやドラムがすごく軽くてとてもじゃないが踊れない。ついでにいえばジャケもひどい。


関西の俗語に「イナタい」というのがある。

いなたいとはミュージシャンの間で「泥臭い」「ブルージー」さらに「へたうま」といったニュアンスで使われる言葉である。関西のミュージシャンや音楽ファンを中心に良い意味での田舎臭さを表現したいなたいだが、音楽関係以外の若者に普及する中で「パッとしない」「ダサい」など悪い意味での田舎臭いというニュアンスでも使われるようになる(更に「くだらない」と同義にも使われる)。

イナタい(いなたい) - 日本語俗語辞書


例えばラヴァーズ・ロックのアレンジとかを指して「このイナタさがいい」みたいに使ったりする。一見あか抜けないんだけどそこが魅力的、みたいなニュアンス。個人的にはJazztronikはその真逆なんだよね。一見洗練されてる風で実際は...、みたいな。


クラブなんてずっと行ってないけど今はこういうのが流行ってんのかなぁ。この曲がかかったら、皆が歓声を上げたりするのかなぁ。自分の好みと世間がずれてるくらいは別にいいんだけど、ここまでとは思わなかった。嫌い過ぎていつか好きになるのかも。


(追記)
有名なエントリみたいだけど、面白かったので紹介。

Jazztronik - Voyage(野崎良太のプロジェクトJazztronik(ジャズトロニック)は、J-POP的な要素をもうまく取り込むことに成功している)

YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編) - plaisir.genxx.com


それは別に取り込まなくっていいんじゃないの?


(参考)
Jazztronikオフィシャルサイト