Joy Division / Unknown Pleasures(Collector's Edition)

30年前の音楽の話。


アンノウン・プレジャーズ【コレクターズ・エディション】

アンノウン・プレジャーズ【コレクターズ・エディション】


去年に発売されていたコレクターズ・エディションを中古盤屋で購入。1stのリマスターと、アルバム発売直後の79年7月のLIVE音源の2枚組。LIVE音源の方は音質はそれなりですが、アルバムの方は凄くいい!数年前のNEW WAVE リバイバルの中の1枚として知らない人に聴かせたら信じるかも。


ライナーノーツを読むと、メンバーはこのアルバムの音に当時は納得できなかったとあります。

バンドの面々はミキシングにはあまり立ち会わなかった。ゆえに、完成品を聴いた彼らは、控えめに言っても、たいそう驚いた。”僕らは動揺していたよ”とピーター・フックは言う。

(中略)

”フッキーと僕は最初それに嫌悪感を抱いていたよ”とバーナード・サムナーが回想する。”サウンドは固くて重苦しくて。僕らはマーティンが音を抑えー特にギターをー、そしてそのエッジを取り除いて、より刺激の少ないもにしたんだと感じていたんだ。


プロデューサーのマーティンがメンバーに対してかなり横暴な態度を取っていたことは、映画「24アワー・パーティー・ピープル」でも描かれていました。でも、結果的には彼の才能のおかげであの音楽が作られたといえるようです。


面白いのは、この「ギターの音を目立たなくして、ベースを強調する」彼らのスタイルを生み出すきっかけについて、書籍「タッチング・フロム・ア・ディスタンス-イアン・カーティスジョイ・ディヴィジョン」に以下の記述があること。

[本書78pより]

一度、バーナードが休暇をとった時など、イアンは残りのメンバーに「バーナードはイマイチうまくないからリズム・ギターをもう一人入れてサウンドを厚くする必要がある」と言った。「バーナードがいない時にオーディションをしてやる」とさえ私には言っていた。そんな事態を知ったバーナードは怒り狂ってロブ・グレットンに「誰がそんなこと考えたんだ」と詰問した。それを聞いたイアンはびっくりして「オレはそんなこと言ってないぜ」と言った。

面白いのは、この出来事がきっかけになり、ピーター・フックのベースの音量をもっと上げることになり、そうすることによって彼らの音楽の優れた点をより強力に押し上げることにつながったことだ。これはのちに、ジョイ・ディヴィジョンのもっとも愛されるトレードマークの一つになるのであった。

http://d.hatena.ne.jp/zenibuta/20060920#p1


バーニー...(泣)。


24アワー・パーティ・ピープル [DVD]

24アワー・パーティ・ピープル [DVD]

タッチング・フロム・ア・ディスタンス―イアン・カーティスとジョイ・ディヴィジョン

タッチング・フロム・ア・ディスタンス―イアン・カーティスとジョイ・ディヴィジョン