大阪のオカン

大阪のオカン。あの、何を話しても必要以上に大阪弁でボケたりつっこんだりして、すぐに「アメちゃんいる?」と聞く「大阪のオカン」。大阪出身者以外では普通手に入らない「大阪のオカン」を、私は「大阪出身者と結婚する」方法でゲットした。しかも私がゲットした「大阪のオカン」はさらに特殊でレアな「伝説のオカン」だった。


オカンは映画が好きだ。ジャンルは様々で、どちらかというと大作映画よりミニシアター系を好む。数年前の話。


(電話の音)
「はい」
「どーもー!大阪のオカンですぅ。あっ、Y君(私のこと)?」
「はい、そうです」
「あんなー、この前友達と映画観に行ったんよ。『サウスパーク』ゆーの。Y君観たぁ?」
「(絶句)...あ、観ましたけど...」
「アレ、面白いなぁ。せやけどなぁ、映画館で年寄りウチらだけやってん。そんでなぁ、私は面白かったんやけどなぁ、一緒に行った友達がなぁ、なんや固まってたんよぉ。なんでやと思う?」


「まん××返し」とか出てくるからじゃないですか?とは言えなかった。



オカンは観る映画の量もハンパない。試しに「テオ・アンゲロプロスの映画って観られました?」と聞いてみた。
(私の中では「テオ・アンゲロプロスの映画」を観てる人は真の映画好き、ということになっている。私はもちろん観たことはない)


「あぁ、観たよぉ。何や、芸人さんが旅するヤツ(「旅芸人の記録」)やったかなぁ。これが長いねんよ。もう、ええかげんにせぇっちゅーの」



オカンがウチに遊びに来た時に、嫁さんが「この人、最近こんな本読んでるんよ」と言って、よせばいいのに本棚から「ショック!残酷!切株映画の世界」を持って来た。家族団らん時にリビングに置かれる「切株」。「ちょwww、おまwww」とあせる私を尻目に、本をパラパラとめくったオカンは


「うわ『オーメン』やね、気色悪いなー。こっちは『サスペリア』やん、ダリオ・アルジェントの映画は昔好きやったよ。途中、訳分からんくなるけど。あの人最近何してはんの?」


と、的確なコメントを出してくれました。これぞ「伝説のオカン」のなせるワザ。


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(参考)
「大阪のオカンは、いつもアメちゃんを持ち歩いている!?」-秘密のケンミンSHOW