幸せって何だっけ?-「映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?」

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おとぎっち兄妹が、描いたふしぎな絵本をたくさん乗せた空飛ぶ移動図書館が、たまごっちスクールにやってくる。ふしぎな絵本は、子どもたちが絵本の中に入って主人公になれるもので、まめっちは絵本の力からヒントをもらって新たな発明に取り組むが、その中の一冊から「た・す・け・て……」という声が聞こえてくる。


娘と観に行きました。オモチャのキャラクターを映画にした紛れも無い「子ども映画」なのでかなりナメていましたが、後半不覚にも感動して泣いてしまいました...。キャラクター名が「まめっち」とか「ハピハピっち」とかなのに!


「映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?」(以下「映画たまごっち」)のテーマは「幸せって何?」だ。主人公の「まめっち」は発明が好きで、あるきっかけから「人の幸せを集めて不幸せな人に分ける」ことができる「ハピハピっち」(「ミラクル7号」に似てるけど気にするな)を生み出す。当初は悲しんでる人を幸せにして皆に喜ばれるまめっち達だったが、徐々にそれでは本当の幸せは訪れないことが分かる。これだけでも相当に深い。そして心を閉ざした同級生「ききっち」を巻き込みたまごっち星の存亡をかけた大騒動へと繋がっていく。


この問題を解決するために「世界一幸せな物語」という本の世界に入り込む「まめっち」達。そこにはその本の主人公である「シアワセーニョ」がいた。彼は本の中では魔法も使える英雄であるにも関わらず「世界一の幸せ」が何か分からず、延々とストーリーをループし続けていたのだ。「本の世界に入れるのは子どもだけ」とか「不思議な国のアリス」を彷彿とさせるシュールな「本の世界」の演出が優れたファンタジー映画のようでとても良かった。


↓崩壊する本の世界


孤独な「シアワセーニョ」と自分自身を重ねる「ききっち」や「ハピハピっち」が活躍するクライマックスは泣きっぱなしでした。幸せなんて人によって違って当たり前。でも自分にとっての幸せが何かを見失ってる人は多いはず。


夏に観た「プリキュア」映画では強敵が現れてピンチになった際に「仲間の応援」だけで逆転。「カンフーパンダ」は「自分を信じる」だけで太った鈍臭いパンダがカンフーの達人に勝利。そんな「子どもだまし映画」に辟易していましたが、「映画たまごっち」はキャラクターこそ子どもっぽいですが、ストーリーは練りに練られていて見応えありオススメです。まぁ、大人だけで観に行くのはちょっと抵抗あると思いますが...。


↓実は1作目のこちらでも泣いた...というのは内緒だ。