ご利用は計画的に-「トロピック・サンダー史上最低の作戦」

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落ち目のアクション俳優スピードマン(ベン・スティラー)は、戦争大作『トロピック・サンダー』での返り咲きを目指すことに。コメディー役者のジェフ(ジャック・ブラック)や演技派のラザラス(ロバート・ダウニー・Jr)とともに撮影に臨むが、クランクイン5日目で予算オーバーに陥ってしまう。あきらめ切れない監督は東南アジアのジャングルで撮影を強行しようとするが……。


川崎109シネマズで鑑賞。面白かった!


世界的金融破壊、ガソリン高騰、大規模リストラ、格差社会。物価は上がり、給料は下がる。そんなこんなで何かっつーと、「節約」「経費削減」が叫ばれている昨今、我が家でも同じ映画を「海外版DVD購入」→「映画館で観る」→「国内版DVD購入」とかコンボでやると、「どれか一回で十分だろ!」「今後映画はレンタルが旧作になってから見なさい!」と怒られてます。世知辛いねぇ。


そんなドン詰まりな状況で「あ〜くだらないことに大金ブッ込みてぇ!」「超無駄遣いしてぇ!」とお思いのあなたにはこの映画をオススメ。


地獄の黙示録」を彷彿とさせるジャングルでド派手な爆発を「笑いのためだけ」に行う潔さ!よく「満天の星空」を見て「自分の悩みなんてちっぽけなんだな」とか言う人がいますが(この映画でもいた)、まぁそんな気持ちになれます。あの爆発1回で何万ドル使ったんだろう...。


「金をかけたら面白くなるわけではない」「低予算でも工夫次第で面白い映画は作れる」ということを、同じくジャック・ブラックが出演した「僕らの未来へ逆回転」を見て痛感した直後に言うのも何ですが、「くだらないことに大金かける」ってそれだけで面白いんですね!よく分かりました。


もう1つのポイントは「グロ」と「下品」。MTV MOVIE AWARDS 2008で流れた「トロピック〜」のプロモーション映像がこんな(↓)だったので、「本編もグロそうだなぁ」と思ったらそれ以上でした。これから観に行く予定の人はこの映像を「笑えるか否か」で判断するといいよ。



「下品」についてもかなり凄い。このメンバーだったらジャック・ブラックが「下品要員」かと思ったら(実際冒頭はそうなんだけど)、まさかあの人だったなんて...。アカデミー賞に「下品部門」があれば間違いなく彼が受賞。

とくに、「金をよこせ」と要求する相手に向かって、「金のかわりに、おまえには乞食のチンカスをくれてやる!」(Instead of a hundred million, how about I send you a hobo's dick cheese?)と叫ぶところでは、「チンカスを英語でいうとディックチーズなのか…」と、メモ帳に書き留めておきたいような気持ちになりました。

2008-11-26 - 空中キャンプ


繰り返しになるが「こういう映画」だと認識した上で見るかどうかを判断することをオススメします。レイティングはPG-12(12歳未満には保護者同伴が必要)で、私の隣には「小学生の姉弟を連れたお母さん」がいましたが、笑いが凍り付いてました。「ワレメちゃんって何?」って聞かれたらどうしようかと思ったよ。


実際、個々のギャグとかは面白いんだけど、それらが終盤に有機的に繋がって行く...ことはなく、グダグダで終わるのが不満といえば不満。でもそういう細かいことは言いっこなしで楽しむのがいいと思う。ディックチーズとか食べながら。


その他
・冒頭のフェイク予告編(各映画会社のロゴまで出る!)も「グラインドハウス」のノリで楽しめました。
・パンフには劇中映画である「トロピック・サンダー」のパンフ、が内包されている。凝ってるなー。
・「黄金の三角地帯」にパンダはいないだろ...。
・劇中連呼される「ティーボ(TiVo)」ってのはUSのHDDレコーダーの総称っぽいね(ティーボ-wiki)。
・下品ネタは満載だがエロネタは少ない。ある意味硬派なコメディ映画。