一見さんお断り?-「ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!」


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ロンドンのエリート警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)。優秀すぎるという理由で、田舎の村へと強制左遷。そこでも張り切るエンジェルだが、アクション映画好きで、どんくさいバターマン(ニック・フロスト)と相棒を組まされる。ある日、村で怪死事件が発生するも、殺人事件だと主張するエンジェルは相手にされず……。


書き忘れてましたが、先月チネチッタに観に行きました。既にDVDでも見ていたのですが、やっぱりスクリーンでも見れて良かったです。公開直後には「上映終了後拍手が起きた」という話も聞いてましたが、4週目くらいだったせいかそういう極端な盛り上がりを目にすることはありませんでしたが、結構笑いは起きていました。


今回たまたま最後列に座ったこともあって、映画本編に加えてやや冷静にお客さん全体の反応も見ていたのですが、色々面白かった。おそらく、半数以上は「署名運動で上映が決まったとにかく面白い映画」という評判を聞いて「そんなに面白いんなら観に行くか」と思った一般の客(便宜上「一見さん」と呼ぶ)で、自分みたいに前作「ショーン・オブ・ザ・デッド」が大好きで署名運動にも参加したマニア(これも便宜上そう呼ぶ)ではなかったと思います。ちなみにエンドクレジットの途中で半数以上の人が退場してました。ジョンスペが「ホッ、ファア〜ズ!」と吠えまくってるのに!


「結構笑いは起きていた」と書いたけど、どちらかというと前半の小ネタ(左遷を告げられ振り向いたら送別会の準備済だった、みたいな)への反応が中心だった。もちろんああいうギャグは面白いし、ウケることそのものに問題はないんだけど、この映画のキモは前半のボケたギャグを下敷きにして、後半一気に度を超えたアクション映画として爆発するところなのに、そこではもう一つ盛り上がってなかったように見えた(個人的には泣くほど盛り上がってたけど)。まぁ口アングリで度肝を抜かれて笑うヒマもなかったのかもしれないけど。


Yahoo映画でのユーザー・レビューを見ると、「面白いと聞いていたのに大したコトなかった」「前半と後半が違い過ぎる」といった否定的な書き込みが少なくない。どのように感じるかなんて個人の自由だし、別に「笑いのセンスが分からないヤツらだ」とか言う気はないけど、改めて「人を選ぶ映画なんだなぁ」と痛感した。もしも普通に上映されていたらマニアが集まるだけであまり集客は伸びず、「コメディは客が入らない」という伝説にさらに信憑性を与える結果になってたのかもしれない。話題になったおかげで「一見さん」が集まり大ヒットしたのは喜ばしいけど、だからといって「日本でも海外のコメディ人気が定着した」とは言えないような気がした。もちろん映画を気に入った「一見さん」だっているハズなんでいい事ではあるんだけど。

個人的には元ネタを見てない「一見さん」でもそれなりに楽しめる映画とは思いますけどね。自分だって「バッド・ボーイズ2」見てないし。


俗・さよなら絶望先生」に「一見さん」(初心者)と「百見さん」(マニア)についての話があった。


「深夜アニメ」ではあるが、敷居を低くして「一見さん」(初心者)を受け入れようとする(画面の端に登場人物の紹介を載せたり)も、反応があまりにも鬱陶しいので結局「一見さんお断り」に。それならばと「百見さん」(マニア)を呼び寄せるが、これはこれで別の鬱陶しさがあり、「百見さんもお断り」に。結局「十見さん」(そんな日本語はない)くらいが丁度いいなー、というオチ?だった。

マニアが喜ぶ映画を売り出すって難しいですね。


それはともかく、「Hot Fuzz/ホット・ファズ」劇場公開を求める会の方に改めて感謝!