IZO

オフィシャルサイト)。土曜日にようやくIZOってきました。イメージフォーラムで映画見るのは実は3度目。他の2作品が「カタクリ家の幸福」と「殺し屋1」。つまり今回含めて全部三池作品(笑)。

この世に突如現れた怨念の塊であるIZO(=バグ)が矛盾だらけの世界を構築するシステムと、そのシステムの中でのうのうと暮らしている全ての者達(死者も自分の親も含む)をただひたすら斬って斬って斬りまくるという「マトリックス」+「ザ・ワールド・イズ・マイン*1なお話。殺陣シーンが延々続く訳ですが、その都度時代も空間もガラッと切り替わっていく展開が「空飛ぶモンティ・パイソン」の構成みたいでちょっと面白かった(コレって作る方にとっては楽なんだろうな)。江戸時代に特殊部隊が登場したり、洞窟にサラリーマンが現れるあたりもモンティっぽかった(ギャグだよなー、アレ)。

無駄に豪華な出演者達が次々に斬られていくのは最初こそ痛快ではあるけれど、そもそもIZOは何のために殺人を繰り返しているのかがIZO自分自身でもよく分かっていないような状況なので(「どろろ」の百鬼丸みたいに体のパーツが戻る訳じゃなし)、見ている方としても感情移入はほとんどできない。「マトリックス」だったらネオやモーフィアス側に自分を投影できるんだけど、「IZO」の場合、IZOに無惨に斬られていく一般家族の方に感情移入してしまった。やめて下さいって言ってる女子供まで殺すんだよ。「あなたは何がしたいんですか?」って。いや、マジで。

コレ、いっそ「映画」ではなくアングラ劇団による「演劇」だった方がしっくりきたかもしれない。役者の台詞回しも妙に演劇っぽかったし。圧巻だった友川かずきの歌(と演奏)というのもやっぱり演劇っぽかったし。ただ、「映画を破壊する映画」を作る三池作品な訳なんで、そんなこと言っても始まらないんだけどね。「ゼブラーマン」(作品そのものよりプロモーションとか)「着信アリ」と来てストレス溜まってんのかなーとか余計なこと考えました。

深読みすれば、世界のあちこちで起きているテロというものを表現しているように見えなくはない。テロを起こす側だけが悪いのではなく、起こされる方も悪いと言ってるのかもしれない。ただラストのあっけなさを含めて正直理解はできませんでした。オススメはできないけど、パワーがある変わった映画がみたくて最近ストレス溜まっている人にはいいかもしんまい。

*1:「お前のあそこが臭かったからだ」ってモンちゃんも言ってたなぁ。