1980

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「どこまで冷静に見られるか」とちょっと構えて見始めましたが、どのシーンにもギャグが入っていてそれが結構笑えて面白かったです。ただ思ったほど、「1980年懐かしー」って感じはしませんでした。冒頭に登場するカリアゲテクノ君("さだまさし"と呼ばれていた)の描写くらいかな。多分だけど、ケラは「1980年」という時代を描くよりも、「三姉妹モノ」をやりたかったんじゃないですかね?「SPECIAL THANKS」でクレジットされていた岡崎京子の「東京ガールズブラボー」も女の子3人の話でしたね。姉妹じゃないけど。いつの日か「東京ガールズブラボー」も映画化されないかなぁ。その際には「ちょっとせつない感じ」でひとつよろしく。「小玉さんのトランペットは悪い血を流すナイフのようだったよ」。(泣)。
最後の屋上のシーンでの犬山イヌコの「あせるね」とか妙に共感できた。あの時代はよくも悪くも「NEW」であることを無理矢理押し付けていたから。「NEW」なんてすぐ古くなっちゃうのに。あとは、高校生に「大人げない」と言われ逆ギレしたともさかりえのこのセリフ、

「人間ね、オトナになったからって大人になんかなれないんだからね!」

まことにそのとおりでございます。オレなんかも妻子持ちの35歳なのに中身は全然変わってないんだもん。あせるよ、マジで。
たまたま同時期に公開された田口トモロヲの「アイデン&ティティ」と無理矢理比べちゃうと、監督のエゴみたいなのを詰め込んだ分見る人を選ぶ「1980」、エゴを抑えて万人に勧められる「アイデン&ティティ」といった感じですかね。後者は原作モノというのが大きいんだろうけど。思えば有頂天(に限らずナゴム全般)とかも万人に勧められる音楽じゃなかったしなぁ。大好きでしたけど。つーか、最初に書いたように「冷静に見られない」くらい好きでしたけど。結局コドモの時好きだったものは、オトナになっても好きってことですかね。
マルクス兄弟好きのケラにオチを求めることは間違ってるとは思うけど、やっぱり全体的にとっちらかった印象は拭えないし、時間もこういう映画にしては123分とちょっと長めなのが不満といえば不満。もしかしたら映画よりも同じ話でテレビドラマ化した方が意外と面白かったかも。カメオ出演鈴木慶一ピエール瀧忌野清志郎(ちょっと意外だった)他たくさん出ていてそれを見るのも楽しいです。万人には勧めませんけど。
(追記)エンドロールで流れる「ライディーン」を聞きながら「テークーノー、テクノライディーン」と歌う人は真のナゴム好き。