ロスト・イン・ラ・マンチャ

ロスト・イン・ラ・マンチャ」(オフィシャル)レンタル。テリー・ギリアムの新作「ドン・キホーテ」の撮影風景を追ったドキュメンタリー作品になるはずが、度重なる不運によって、製作が中断されてしまった「完成しなかった映画のドキュメンタリー」としてこちらが劇場映画になってしまったという不思議な作品。ディスカバリーチャンネル大好き人間には堪えられませんでした。苦労に苦労を重ねてようやく始まった撮影の二日目に、突発的な雷雨により、川のようになった地面を機材やセットがどんどん流されていく様には笑っていいのか泣いていいのか分からなくなりました(この映画のキャッチコピーは「悲劇か?喜劇か?」)。テリー・ギリアムへの思い入れは強いし、これまでの作品での苦労も分かってるので、本当に「なぜ彼の作る映画だけがこんな目に?」と思わずにいられません。彼は紛れもない天才監督なのですが、彼をサポートできる信頼できるプロデューサー等がいないコトが悔やまれます。数少ない撮影したフィルムを見て満足そうに子供のような笑顔で笑い(また本当にいいカットなんだ)、「凄い映画になるぞ!」と叫ぶシーンは辛かった。再びこの映画を制作するつもりのようなので、今度こそうまくいけばいいなぁと切に思います。